「黄斑前膜」手術日記

黄斑前膜を発症して手術、その後の経過を過去に遡って書いていきます。同じ病気でお悩みの方のご参考になればと思います。

手術室

手術室に案内される。案内と言っても、待合室の横にドアがある。ドアを開けると廊下に置いてあるのと同じパイプ製の丸椅子がポツンと置いてあった。

「ここでスリッパに履き替えてください」

床を見ると汚い緑色のビニールスリッパが散乱している。自分で床から拾い、履き替えて丸椅子に座ると、すぐに看護婦さんがやって来て無言で促され奥の部屋へ。中は暗く、ドアにぶつかるくらい近くに、歯医者さんにあるような椅子がある。

「座ってください」

看護婦さんに言われて、事前検診かな?と思いながら座ると膝から先の部分が持ち上がってきて、背もたれも倒れ仰向けになった。

天井を見ると、会社の天井と同じ、一般の事務所の天井。しかも配電用の開閉口がある。

(えっ、ここが手術室なの?ここで手術?ここは事務所だよ)

f:id:ohanzenmaku:20180914171151j:plain

※天井のイメージ

手術当日

ついに、その日が来た。

9:00に病院に入る。

さすがに緊張していたのか、寒かったことしか病院に着くまでのことは覚えていない。すでに患者さんで溢れていて、待合室には入れず、いつものように廊下の簡易椅子に陣取る。

 

点眼麻酔を数回してもらう。左眼だけでなく、右眼にも麻酔する。手術中に左眼の麻酔液が右眼に入ったら沁みるかららしい。

待っている場所から手術室の裏側が見える。(ここで、手術するのか…)

 

しばらくして看護婦さんがやって来て、

「服はそのままでいいですか?」

(えっ!いきなり、それ?他に何かないの?)

「手術室に入ったら着替えられないので」

手術室の中は寒そうだったので

「じゃあ、このままで」

シャツの上にスウェットパーカー。

少し経ってヘアキャップを持ってきた。

通院するうちに何度か手術をする人を見ているので、よく知っていた。

後ろで束ねていたら

「それは、ほどいてください」

とのこと。

さあ、いよいよ手術か。

直前に看護婦さんから衝撃の言葉が!

「中に入ったら、何も喋らないでくださいね。」

(え、え、え?)

驚いて何も言えなかったし、言える雰囲気もなかった。

手術はどうやって進むのか、手術中はどうしてるのか、どの位時間がかかるのか、

痛いのか痛くないのかとか、とか、とか、、、

手術直前に先生から説明があるものだと思っていたし、聞きたいと思っていたのに

手術室に入ったら喋っちゃダメってどういうこと!?

 

 

手術3日前

ついに手術のカウントダウン。

3日前/一日4回の目薬スタート

2日前/3カ月は水泳ができないので、最後のプール。仲間ともしばしお別れ。

前日/3日連続で、通院しなくてはならないためホテルに2泊の予定。なので朝から、持っていくものの準備。着ていくものをちょっと悩む。「手術の後、眼に触らないようにするため被り物の洋服じゃないほうがいい」というアドバイス白内障手術経験者の友人から聞いていいたので、セーターをやめてスウェットパーカーにする。ホテルでの時間も長くなりそうなので、ジャージの上下も持っていくことにする。

どうしようかと思ったけど、ちょっとだけプールに行く。これで本当に水泳としばらくお別れ。

直接、話して良かった。

仕事が一区切りついたので、気持ちは手術に集中して来ている。

予定通り、メールで相談するのはやめて直接相談するために通院。

いつもの通り長い待ち時間の後診察室へ。

「眼内レンズの件ですが、前回80~100cmに焦点を持っていくレンズに決めたのですが、50~70cmに焦点を変更することはできますか?」

と言うと

「前回は70cmと言ってましたよね」

(あ、あのときは何も返事しなかったけど一応メモして、覚えてるんだ…)

「10cm刻みで調整できますよ。手術後、どこに落ち着くかは分からないんですけど」

(えっ!?)

「70cmに合わせたら、60cmに落ち着くかもしれないし90cmになるかも知れない」

その時、初めて知りました。60~80cmに合わせるというのは、60cmから80cmの範囲が見えるようになるんじゃなくて、その中のどれかに焦点が落ち着くというものだったんです。

(やっぱり、この人、説明不足だよな…)

「じゃあ60cmを狙って、近ければ50cm、遠ければ70cmに落ち着くようにしましょう」

やっぱりメールじゃなくて直接来て話して良かったと思いました。一生の事ですからね。

眼内レンズの調整

白内障の手術って、簡単に言えば今入っている水晶体を取り出して人口の眼内レンズを入れるということです。近距離用、中距離用、遠距離用、遠近両用といろいろある中でレンズの選び方はお医者さん任せにしてはいけないと、手術経験のある方から聞いていたので、どうしても気になってました。私はパソコンのモニターに向かう仕事が圧倒的に多いので顔からモニターまでの距離を何度も測り 、その距離に焦点を合わせるレンズにしたいと思っていいたからです。なぜなら、人工的な眼内レンズは人間のレンズと違い、焦点を調整することは出来ず、その焦点しか合わないからです。結局、先生に再度メールしました。

”80~100cmが見えるレンズじゃなくて、60~80cmが見えるレンズに調整することはできますか?”

早速、その日に返信メールが来ました。

”来週、火曜日に出勤するのでカルテを見て回答します”

数日経ってから、メールのやり取りでは説明できないかなと思い

”火曜に伺いますので、そのときにご相談させてください”

とメールをすると、数時間後に

”承知しました”

という返信が来る。

何にしてもスピーディに対応してくれる先生に信頼度は上がっていった。

 

先生の個人メール!

病院のHPに「先生に直接メールで相談していい」と書かれてあったので眼内レンズの事をメールで相談してみた。こんな内容です。

ーーーーーーー

お疲れ様です。
〇月〇日にに先生に手術をしていただける事になっております。黄斑前膜と一緒に行なっていただく白内障手術の眼内レンズについてご質問があります。
先日の診療で、80~100cmが見やすい中距離のレンズに決めさせていただきましたが、度数とか見え方に関して何か検査する必要はありませんでしょうか?
いただいた資料に、「眼内レンズは、眼の形状をコンピューターで測定して、世界共通の計算式に基づいて、、、さらに一歩踏み込んで細かい補正をしておりますので、、、」とありましたので、何か検査をした方が良いのかと気になってご連絡させていただきました。
お忙しいところ、誠に申し訳ございませんが、ご指示いただければ幸いです。
何卒宜しくお願いいたします。

この頃は黄斑前膜の手術に関しては、ほとんど心配していなくて、当然見えるようになるものだと思っていて、その後の視力の事ばかりが気になっていました。

夜になって先生から返信が来た。

ーーーーーー

検査はすでに終わっていると思うので、さらなる検査は必要ないでしょう。

とのこと。

当日にメールを返してくれるなんて、なんて親身なお医者さんなんだろうと思い。ちょっと感心した。

 

手術しようと思います。

  一週間後に、手術を依頼する前提で病院へ。特に事前の検査はなく診察室へ。

「・・・・」(先生はいつものように喋らない)

「先生、手術をお願いしようと思います」

「そうですか。じゃあ日にちを決めましょう」

1か月後に仕事のプレゼンが控えていいたので、それが終わってから一週間後に決めた。

「〇月〇日ですね、はい。では網膜の亀裂をレーザーでふさいでおきましょう。後でやりますのでしばらくお待ちください。他に質問は?」

「手術後にガスを入れることになりますか?」

「それをしなくて済むように、亀裂をふさいでおきましょう」

「あと、白内障のレンズは種類があると聞きましたが、、、」

初めて資料を出してきて、遠・中・近距離用のレンズがあることを教えてもらう。

「あなたの場合は中距離のもので考えています。80~100cmが見えるものです」

勝手に決めるなー!白内障の手術をした人が周囲に何人かいて事前情報があったから良かったけど、知らなかったら勝手に見える距離を決められてるところだった。

「パソコンで仕事をしているので、パソコンまでの距離70cmに焦点が合うようにしたいんですが、、、」

「・・・・・」

何も言わず、メモは取っているように見えた。

何しろ、うわさ通り無口。

また、待合室でしばらく待っていると看護婦に誘導されて上の階へ。そこに入ると、まず電気をつけた。明るくなって見てみると、まるで物置。(えっ!ここで手術するの?まじ?)そう思っていると、眼の検査の機械の前に座らされた。先生は反対側に座り、僕は機械に顎を乗せた。レーザーの手術と言っても、暗いところを覗いていいると、光が出たり消えたりするだけで痛くもなんともない。それが3回ほど行われた。一通り終わったのか、先生は立ち上がり

「では、〇月〇日、よろしくお願いいたします」と言って物置部屋から出て行った。

その後、受付で手術までの準備(4日前から目薬をさすことなど)を聞いて、精算して帰った。とにかく手術へ一歩一歩近づいて行きました。