「黄斑前膜」手術日記

黄斑前膜を発症して手術、その後の経過を過去に遡って書いていきます。同じ病気でお悩みの方のご参考になればと思います。

「早いとは言えない」

 意を決して、ついに初診。14:30頃受付をし、視力検査、屈折力検査(気球を見るやつ)、眼圧検査(空気を当てるやつ)、「OCT検査(瞳孔を開いて網膜の断層を撮影するもの)」を行いながら受付から2時間後くらいに看護婦さんから声がかかる。いよいよ診察。小さな暗い、小部屋とも言えないくらいの狭さの診察室に入り、促されて椅子に座る。先生は想像よりかなり小柄で、まさに理数系という感じ。うわさ通り無愛想で、一通りカルテに目を通し後で診察台(眼科特有の顎を載せて、向こうから眼を覗かれる台)でチェックが始まった。

「上診て、右上、右、右下、下、左下、左、上、正面。・・・え~、黄斑前膜ですね」

(それは、知ってるもん)

先生は、それ以上何も言いそうになく、こう着状態になりそうだったし、せっかく横浜まで来てるのだから、今まで他の病院で訊き続けてきた例の質問をしてみた。

「手術はいつ頃したらいいんでしょうか?」

「早いとは言えないですね。」

えっ!「様子をみましょう」でも「本人次第ですね」でもない言葉。その言葉を待ってたような気がした。やっと、僕の病気に向き合ってくれる医者に巡り合えた。そんな気がした。先生は続けた。

「なぜなら、網膜の外側ですけど亀裂が出来てますから」

と写真を見せられた。

「あっ、そうですか」

(本当は、その時に「それはどういうことなのか、放っておくとどうなるのか、何が原因でそうなったのか」を訊けば良かったと思っています。)

今の症状を何とか治したいという気持ちに加え、手術をすべき理由を伝えられて、手術をする方向に気持ちが一気に傾いた。

「わかりました。」

私はすこし気持ちが高揚していた。先生はその後も、何もしゃべらず手術をするかどうかの確認もしなかった。その事務的な態度がかえって私に好印象を与えていた。

治療費の清算時に看護婦さんに

「手術をするなら、また来週来てお願いするってことですよね。」

「そうですね。」

そんな会話をして病院を出た。何か一歩前進したような気がしていた。